それから私とガイは同い年でアカデミーを卒業。段々と私もガイも、女の子らしく、男の子らしくなっていって、結局ずっと一緒にいるなんてできなくなっていった。


「まーた勝負してる……」


飽きないなあ、なんて遠くから見てるだけ。はたけくんとガイの勝負に、女の身で入っていく勇気は、私には残念ながらなかった。

遠くから眺めていると、視線に気付いたらしいはたけくんがこっちに近付いてきた。正直話題なんてあんまりないし、ガイの方が来てくれた方が気楽なのに。


「遠くから見てるだけなの?」

「う、ん」

「昔ほど、仲良くないんだな」

「そんなこと」

「……人の顔見て話せって言われたことない?」

「ご、ごめん」


不機嫌そうな顔をしてるはたけくんを視界に入れると目が合った。
みんながかっこいい、かっこいいって言ってるはたけくんだけど、私にとっては苦手な存在だ。親友のガイをとられたっていうのもあるけど、何考えてるか顔が隠れてるせいで良く分からないっていうのが大きい。

大体、なんで顔隠れてるくせにかっこいいって言われてるのよ、このひと。


「なまえー!」

「ガイ!」

泥だらけの顔を洗っていたらしいガイが来てくれた。相変わらず太陽みたい。

「最近会わないから心配したぞ!」

「ごめんごめん!元気そうでよかったあ」

同じくらいだった身長は、もうガイの方が高くて。
手だっておっきくて、なんか、おいていかれた気分になった。

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