忍は戦いの駒でしかない。そうわかっていたとしても里の為なのだからと自分を納得させて戦うしかない。
任務に出てかれこれ2年になるだろうか。同じ班の仲間が1人消えて、人員の補充もまだで、なかなかにデッドオアライフの予感がするシチュエーションになっていた。4人の班は今は3人。誰が欠けてもおかしくないくらい弱りきっている。
「死なないって言い切ったから生きて帰りたいんだけど」
「無理だな」
「縁起でもない」
「余計な期待はするな」
「期待してないと潰れるよ」
近付いてくる敵の気配にため息をつきながら、そろそろ救援が来るはずだと自分に言い聞かせて落ち着かせた。
救援が来るまで耐えればいいのだから、それまで時間を稼がなければならない。
「いくよ」
実力差なんて、その気になればいくらだって埋めてあげるよ。
それくらいの覚悟で忍やってるんだから。死んでいった仲間をもう見たくないから、ガイとガイパパとの約束を守る形で私は闘おう。
大事な人を守り抜く時
「八門遁甲、第一 開門 開」
「やめろ!!!」
正直、どれくらい持続するかここまで開けたことがないから分からないけど、守れたらいいな。
「第五 杜門 開」
私の体じゃ負担に耐えきれないのは目に見えているから、これが最後になるかもしれない。
だから真っ直ぐ敵を見据えて、心の中で言ってやるのだ。心中しましょう、って。