「なまえ先生、特別上忍になったんですか!?」
「うん、昇進しました」
「じゃあ、もう先生じゃなくなっちゃったんですね」
「いいや、授業はちょっとだけど持たせてもらえることになったから。まだ先生だよ」
カカシくんと別れてから、私はまた前線に出るようになって、特別上忍になった。
ガイの熱い昇進祝いを断りながら、私の目は自然と派手な銀髪を探している。
「カカシ、見つけた」
「なまえ特別上忍。何か?」
「何その呼び方……嫌味?」
「まさか」
「カカシに嫌味言われたってナルトに言いつけて来よう」
「あのねぇ、何かある度にナルトのとこ行くのやめろって」
関係は、元カレと元カノ……より冷めてるかもしれかいけど、私は諦めずに絡み続けている。
(言ったでしょ、ずっと好きって!)
……あー、なんか恥ずかしくなってきちゃったなぁ。あの勢いは何だったんだろ。
イチャパラ片手にどっか行こうとするカカシの袖を掴んでとめると、カカシはいつも居心地の悪そうな目をする。
こんないい女が袖掴んで引き止めてるっていうのに。冷たいなぁ、まったく。
「傷ついたんだけど」
「……はあ」
「デート」
「お前ね……」
「いいでしょ」
「もういい歳なんだから諦めて他の男見つければ?」
「ほかの人なんて考えられないからこうして恥を忍んで猛アタックしてるわけなんですけど」
「……」
「そろそろ、目を見て話してよ」
ゆっくりと振り返るカカシの目は罪悪感の色を濃く写していた。
たまに見せるその目のせいで後に引けなくなってることに、いい加減気づいた方がいいと思うんですけどカカシくん。
「行こっか、デート」
「…どうせ拒否権はないんでしょ」
まだ消えない好意を感じるうちは、貴方を追いかけ続ける覚悟なんです。