「なまえ」

「先生を付けなさいウスラトンカチ」

「もう先生じゃないだろ」

「ならせめてさんを付けなさい」

「嫌だ」

「どうして?」

「カカシもあんたのこと呼び捨てだろ」

「……あのね、そんなところ真似しなくていいのよばか」

偶然すれ違っただけだった。
それでも心配してた子だから声をかけてみればこのとおり。あんまり変わってないし、前より生意気度があがってる。

……段々昔のカカシくんに似てきてるんだけど、どんな教育してるの。

「なまえ、弁当うまかった」

「……ああ、この間のね」

「礼、遅くなって悪かった」

「いいよ。なかなか会わなかったしね。あの時もはたけ先生と話しててサスケと話せなかったし」

「その……また、食ってやってもいい、からな」

顔を真っ赤にしてそんなこと言うサスケに母性本能的なものが暴走しそうだ。
かわいい、可愛すぎる。

カカシくんに似てきたなあと思ってたけどそんなことない。昔のカカシくんより素直だ。

「また、作ってあげる」

「!本当か!?」

「おにぎり作ってあげるよ。具は何が好き?」

「……おかか」

蚊の鳴くような、小さな声。それがまた可愛らしくてサスケの頭を優しく撫でてみる。

「分かった。楽しみにしててね」

「なっ……!撫でるな!」

「はいはい」

「子供扱い、すんなよな!」

まだまだ子供だよ、なんて言うと拗ねそうだから分かったごめんねって言ってあげる。

分かればいい、って言って去っていくサスケの後ろ姿まで可愛く見えてきて、おかかのおにぎりを作ることを決意した。



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