最近テンゾウに会ってない。

里でも見かけなくなったし、連絡もよこさない。きっと、避けられてるのかな、なんて思ったりしたけど、テンゾウはそんなことするのだろうか。

「なまえは酔うとよく喋るよな」

「そう?」

「カカシの前で酔うなよ?墓穴掘るぜ」

「やましいことなんてしてないから平気ですぅー」

へらへらと笑って見せるけど、結構危機感感じてたりするのである。

こうしてアスマと二人で話しているのも最近は後が怖いなぁなんて思ったりするのだけど、ちっちゃな嫉妬くらいは可愛いものだと思う。

任務のことだって、きっと私が心配だから火影様に根回ししてただけなんだ。

「見つけた」

「カカシくん」

「一緒に帰れるでしょ?」

「うん。じゃあねアスマ」

「おう」

……やばいな、やっぱりちょっと怖いかも。

カカシくんはその、ちょっと狡い所というか、その……私には理解できないような価値観を持ってるから。
そういうのに対しての恐怖心はなくなったはずなのに。

「なまえ?」

「……なに?」

「ぼーっとしてるけど、体調悪いの?」

「ううん、平気だよ」

「ならいいけど」

しばらく、こんなことはなかったのに。
なんで急にこんな風になってしまったんだろ。それとも、私の気のせいだろうか。

「オレに隠し事とかしないでね。もう他人じゃないんだから」

なんでもない言葉なのに、なんだか寒気がした。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -