たぶん結婚適齢期を迎えて頭腐ってきてるんだと思う。一度フッた相手ともう一度付き合いますとか、焦ってないかな私。冷静になろうよ私。
「僕と付き合うなんて案は却下ですか」
「うーん…」
「将来有望かもしれませんよ」
「テンゾウねー」
「新居は木遁で建てられますし、子供ができたとしても間取りは自由ですし」
「それはセールスポイントなのかな」
「それに、暗部にいるのでお金も問題ありませんし、自分で言うのもなんですけど有望株ですよ」
「自信満々だね」
「ええ、却下される事は分かりきってるので。開き直ってみました」
授業中で誰もいない職員室の窓辺に座るテンゾウにいい人いないかなぁ、と相談した結果がこれである。
やっぱこの子地味にアピールしてくるなぁ、しかもアピールが冗談とも取れるし本気ともとれるから本気で返したら何言ってるんですか、冗談ですよ。とか言われてなんか私だけ恥ずかしい感じになってしまうかもしれない。
なんともよく分からない相手である。
「カカシ先輩、こっち見てますよ」
「え!?……あ、ほんとだ」
控えめに手を振ったら、振り返してくれた。ゆっくりと入口の方に向かって歩いていくから、そのうちこっちに来るだろう。
なんだか、あんなに憧れてた大人ってやつになれてる気はするんだけど、大人って、ちょっと狡いのかとしれない。
私、テンゾウに対して狡いことしてるんだろうな。