「はじめて見たときは、馬鹿な子だって思ったんだ。自分までいじめられるって分かってるのに傍にいるなんておかしいだろって。
次に見たときは、優しい子だって思った。その優しさが、ガイだけじゃなくてオレにも向けられたらいいなって。そう思ったよ。
上忍になった日も。暗部に入った日も、なまえの姿を探してた。
ガイはいいよな、校庭500週したらなまえに褒めてもらえて。何気ないことで、褒めてもらえてさ。
はじめて好きだって言った時も結局はガイの方がいいって事だって分かって悔しかったんだ。それでも、諦めないで好きで入れば、いつか叶うんじゃないかと思った。
でも、もうガキじゃないんだよ、オレ。お前を抱きたくて、自分のものにしたいと思い始めて、抱いてしまえば、オレの事を見てくれるんじゃないかって。
……どうして、ガイには支えてくれる人がいるのに、オレにはいないんだろうな。
不公平じゃないか、そんなの。
どうしてお前はガイのそばにいる。どうして、オレの事を見てくれないの?
ずっと、ずっと好き。
だから、なまえの目に、映りたかった。愛して、欲しかった。
どれだけ失っても、帰る場所が欲しくて、おれは、拠り所を探していたんだ。
汚い真似をした。ガイがいない時なら、オレを見てくれるんじゃないかって。
ガイの前で恋人らしいことをすれば、ガイの隣へ戻る道なんて、なくなるんじゃないかって。
それくらい、好きなんだ」