もう大人になったと思っていたけれど、まだ私もカカシくんも、大人には程遠いらしい。
暗部として任務、任務の毎日をこなしているカカシくんの相手は、結構大変だったりする。えーっと、何が、と聞かれると答えずらいんですけど。
「んー…カカシくん」
「ごめん、起こしたな」
「だい、じょぶ」
「無理しなーいの」
腰が、重い。
なんでカカシくんはそんなにタフなわけ?しかも心なしか顔色いいし、機嫌もいいし…。そういえば、朝から任務だっけ、カカシくん。
「もういくの?」
「そろそろね。終わったらまた来るよ」
「そっか…いってらっしゃい。まってるから」
カカシくんに、愛されてる。
そう実感させるようなことしかしないから、なんだかくすぐったい。
シーツにくるまってごろごろするこの時間は好きだ。それでも、私もカカシくんも大人にはなれない。
してることは大人なんだ。大人と同じはず。年だって、もう大人。なのに、私が大人になれないのは、あきらめっていう言葉を知らないからだ。
「…ずっと、好き」
大人になりたい、成長したい。そう思ってきた。
やることやって、することして。お酒も飲めるようになったし、タバコだって吸える。それでも、私は自分を大人だと認めることができないでいる。