戦争とか、ミナト先生のこととか、大変なときに私はカカシくんの傍にいてあげられなかったらしい。
ガイが任務から帰ってきてから、ガイとご飯を食べているときにさりげなくカカシくんの事を聞いたら、なんだか熱血こじらせながら話してくれた。
「珍しいな、なまえがカカシに興味を持つとは」
「え?!あー、…まあ、たまには」
「何かあったのか?」
「別に、カカシくんとは何も…」
「呼び方が変わっているが…」
「あー、…えーっとね、うん」
説明しなきゃ、とは思うんだけど、ガイに恋愛のこと言っても分かんないんじゃないかな、なんて。
でも、とりあえず説明しなきゃ。そう思っていざ向かい合ってみると何も言葉が出てこなかったりする。
「付き合い始めたのよ、オレとなまえ」
「え、か、カカシくん!」
「おお!カカシ!!」
うじうじしてたらカカシくんが登場してしまった…ああ、もう。誤算だ。
私の頭を撫でてナチュラルに隣に座るから、なんでここにいるの、とかそういう質問をする間が一切なかった。
ガイはそういうの聞くタイプじゃないだろうし、今はカカシくんと会えたことによりライバル勝負のことで頭いっぱいっぽい。
「そうか、やっとお前にも支えてくれる人ができたのだな、カカシよ」
「ああ」
「なまえ、今までオレを支えてくれて感謝してるぞ。これからはカカシを、よろしく頼む」
「…うん」
それにしても、お前らがか。なんてしみじみと思い出を語りだすガイの話を聞き流しながら、カカシくんが何を考えているのかわからなくてそっと横顔を盗み見る。
やっぱり、私のこと信用できてないのだろうか。
「親友によろしく頼まれちゃったら、断れないな」
やっと、期待なんて捨てられそうだ。