ずっと、好き。
カカシくんがどんな気持ちで、あの時この言葉を言ったか、私には分からなかった。
鈍く痛む腰を熱めのシャワーで温めて、浴室を出た。
脱衣所に用意されていたのは当たり前だけどカカシくんの服で、私には大きすぎる。下着とか全部洗濯してるらしく、洗濯機が稼働中。
カカシくんの長袖の黒Tシャツを着て、髪を拭きながらカカシくんのところに戻る。
ホットミルクをいれて待っててくれてて、優しくおかえり、と笑って私に向かって手を広げてくれた。
遠慮なくカカシくんの腕の中に飛び込んだら、ぎゅっ、と抱きしめられて照れくさい。
「ごめん、何も聞かないで、いきなり」
「気にしてないよ」
「好きなんだ」
「……うん」
「だから、ずっとこうしたかった」
カカシくんの膝の上で、向かい合うように座る。
私の頬を撫でる手は暖かくて、心地よかった。
「オレは、ちっちゃい男だよ。ガイがいない時を狙ってじゃないと、なまえに手を出せない」
「ガイはそんなんじゃ、ないのに」
「嘘だ」
「なんでそう思うの」
「ずっと、なまえを見てきたから」
ずっと、って、いつから?そう聞くのも野暮な気がしてやめた。今思えば、ずっと、そうだったんだ。
アカデミーにいた頃、ガイといないときに話しかけてくるのは、きっと。
「……私、きっと下心、ずっと消えないよ」
「うん」
「太陽みたいなガイが、好きだから」
「知ってるよ」
「でも、カカシくんが、優しいからっ」
涙は我慢しない。
私は、ガイを諦める。
「わたしと、恋人に、なりませんか」
「なまえが、オレを選んでくれるなら」
よろこんで。
恋人になってからのキスは、深くて、甘かった。
ガイの誕生日に私は女になって、ガイが知らないところで私は、貴方への恋を諦めるんだ。