作ったお蕎麦を食べながら年末のテレビ番組を見て、カカシくんの部屋を探索とかしてたら時間はあっという間に過ぎていて。
もうちょいで今年が終わって来年になるところまできていた。はやく帰ろうなんていう考えはなくて、今頃任務を頑張っているであろうガイの分までまったりすることが私の任務なのだと都合のいい考えでだらだら。
「あと1分で年明けだって」
「年越した瞬間にジャンプとかする?」
「オレは遠慮しとく」
「連れないなあ」
「それより、もっといいことしたいんだけど」
何を、そう聞こうとした私の体は4年前のあの日みたいにカカシくんの腕の中に閉じ込められてしまった。
カカシくん、いいことってなんですか。
そう聞こうとする雰囲気でもなくて、付けっぱなしのテレビがあと15秒で元日です!なんて言ってるのを聞いてることしかできない。
口布をおろして近付いてくるカカシくんの整った顔から目を背けることなんかできなくて、私は目を閉じた。
1月1日。年が明ける瞬間何してた?そう聞かれたら、キスしてました、そう答えなきゃ。ぼんやりそんなことを考えていたらカカシくんがテレビを消して、部屋が静かになった。
「いいよね」
疑問形でもなんでもないその言葉に何も言うことなんかできなくて、私はそのまま、床に押し倒されていた。