「なんだか夫婦みたいじゃない?」
「なんか、ご機嫌だね」
「そりゃね。なまえが一緒にいるし」
「あ、ありが、と……?」
「なんで疑問形?あと、顔真っ赤」
脈アリだって思っちゃうよ。なんて言って笑うはたけくんの隣を歩いていると、一年の最後の日である今日の街の騒がしさなんて耳に入ってこなくて、逆にとても静かに聞こえる。
緊張、してるんだろうな。
するりと自然に絡められる指にびくりと震えてしまった。手を繋ぐのなんて久しぶりで、どうしたらいいか分からない。
「はたけくんって、手冷たいんたね」
「そう?ああ、でも冷え性かも」
「そっか」
子供の頃ガイと繋いだ手はあったかかったなぁ、なんて思い返してみる。
ガイは冷たい私の手を握って、あっためてくれたっけ。
「手袋、しないの?」
「普段はポケットに手入れてるからね」
つまり、手を繋ぐためにわざわざ寒い思いして手を出してくれてるわけですかはたけくん。
昔のふてぶてしさは何処へ行ったのはたけくん。
ちょっと勇気を出して、繋がれた手にぎゅっ、と力を入れてみた。
「本当に夫婦みたいだね」