顔は、多分真っ赤だったと思う。はたけくんが私を離してくれて、
(返事は、今度でいい)
なんて言ってくれたから、私は急いではたけくんの家を出た。
正直、どうしていいか分からない。彼氏とか、恋愛とか、そんなの良く分からないから。
周りにいる男子なんてガイだけだし、ガイとは何もなかったし、それに、ずっと苦手だったはたけくんが相手だ。
関係がどう変わるかなんてわからないし、それにその、ああ、もう。
「ガイ、いる?」
気付いたら私はガイの家を訪ねていた。
お風呂上がりらしいガイは上半身裸で、また性別の違いを思い知らされた。ちょっと凹んだ。
「ガイはさ、恋したことある?」
ガイが答える前に私が答えてあげよう。答えはきっとノー。イエスの場合は青春に恋してるとかそんなこと言い出すと思う。
「あるぞ」
「青春に?」
「ああ!青春だ!」
「ですよねー」
分かってた、分かってたけど。
なんか、複雑……。ずっと、友達としてガイの傍にいたし、ずっと支えていこうって思ってるけど、これってつまり恋なのかな?
でも、なんか、恋みたいなドキドキ?っていうのはないし。
「あのさ、もし私がガイのこと好きって言ったらさ、どうする?」
我ながら何聞いてんのよ、とは思うけど、きっとガイも私と同じ気持ちのはずだ。
だから、二人で考えれば同じ答えが出るかな、なんて思ってるわけなんだけど。
「悩むな……」
「だよね」
「ただ、悪い気はしないだろうな」
「う……」
なにそれ、ばかじゃないの。