任務が終わって家に帰ろうとしていたら、突然見覚えのある銀髪につかまった。

「オレにも、カレー作ってよ」

「……へ?」


なんていうかまあ、すごく気まずい。

ぶすっ、とした顔で私の腕掴んで引き止めたかと思ったら、カレー作ってよ?こんらんですよね、はい。
腕を引かれて買い物して、今目の前には材料と、はたけくんのおうちがあります。
一人暮らしのはたけくんの家はひどくこざっぱりしてて、必要最低限のものしかない。

はたけくんが見てる前でカレー作るなんて、なにこれ罰ゲーム?
ちょっと困惑してたら、不機嫌MAXなはたけくんが、「嫌なの?ガイには作るのに?」とか言い出して余計に訳が分からなくなった。

そりゃ、ガイは親友だし、作りますよ。でもはたけくん親友でもないし良くて顔見知りですよね!?なんて口が裂けても言えない。文句言う暇があるならさっさとカレー作ってこの場を去ろう。とりあえず、じゃがいもの皮むきからスタートだ。

「オレ、暗部に入る事になった」

「うん、知ってる」

「……なんか、言うことないの?」

「えっと……おめでとう、とか?」

「……ありがとう」

「う、うん」

じゅうじゅうと野菜と豚肉が焼ける音がキッチンに響く。カレーには豚肉。それが私のこだわりである。

急に黙ったはたけ君のほうを見ると、なんだか微妙な顔をしていた。一体なんなのだろう。

「ねえ」

「は、はい」

「ガイのこと、好きなわけ?」

「……へ?」

いきなり何聞いてんのこの人。

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