私の交友関係は広いとも狭いともいえない。
そんな私をいつも気にかけてくれる人が一人。
「おい」
3年生になって、Z組になって
不安でたまらなかった私の隣には、いつも土方君がいた。
それが普通だから、当たり前だから私も土方くんも何も言わない。
他の女の子達からは付き合ってるのかとか、好きなのかって聞かれるけど
私はよく分からない。
「おはよう、土方君」
ただ、一緒にいて胸がぽかぽかするし、安心する。それだけだからなんともいえない。
「玲」
「ん?」
朝、みんなよりちょっと早く登校する私達の学校へ行く間の時間は、少しだけゆっくり流れている。
そんなゆっくりとした時の流れに身を任せて、今日も頑張ろうって思えるんだって思ってたけど
今日の土方君はなんだか変。
ちょっと緊張してるみたいな…そんな感じ。
「…やる」
ぶっきらぼうに渡された箱。
開けてもいいかと目で聞こうとしたけど、土方君はこっちを見てくれない。
自分の判断で箱を開けると、私の顔はほころぶ。
「ありがとう」
「…おう」
「誕生日、覚えててくれたんだ」
「べっ…別に、たまたまだ!」
「はいはい」
あまり派手なアクセサリーを好まない私にくれた、土方君らしいプレゼント。
なんだか、ぽかぽかする。
幸せって、こういう事を言うのかもしれない。
お守りペンダント
(土方君、つけて?)
(遅刻すんだろーが…行くぞ)
(土方君のケチ。マヨラー。悪玉コレステロール)