気付いてしまった。
でも、だからといって行動を起こせるほど私は積極的にはなれない。
「なぁー、玲ちゃん、俺ってなんでモテないんだろうな…」
知らねーよ。黙ってろゴリラ。
なんて言えないから、私はただお酒をちびちびと飲んでいるだけ。
あーあー、本当は土方君と飲みたかったなーなんて思うけど、現実は甘くない。
私の隣にはぐずぐず泣いてるゴリラ。
「トシや総悟はモテるのに…なんで俺は…」
近藤さんも、まともにしてれば普通なんですからまともにしてればいいのに。
そんなこと言ったらこのゴリラは調子に乗るだろうな。
「この前なんかお金持ちの令嬢に命令されてデートしてたし」
え?ちょ、待って
「…それって、土方君ですか?」
「ああ。ぐすっ、なんで俺は…一度もそんな命令されたことないのに…」
…なんだ、勘違いか。
って、もっと早く言えよゴリラ!
あーもう、そうと分かってたら気付かずに済んだのに!
「…はぁ」
その後、近藤さんはずっと飲んでいた。
最終的にべろんべろんになって、土方君に連絡するのもなんか私の気持ち的に嫌だったから総悟君に連絡。
近藤さんは総悟君に苛められながら帰って行った。
後に残された私は結局一人で帰る。
結局、いつも通りなんじゃん
平行線をたどる日々
(あれ?母さんからメールきてる…私何か大事なことを忘れている気が…)
(…なんだっけ)