「信女ちゃんは可愛いねーよしよし」
私は最近よく見廻組の信女ちゃんとお酒を飲んでいる。
勿論信女ちゃんは未成年だからお酒は飲んでいない。私の愚痴に付き合ってくれているだけ。
「玲、ポンテリング」
「ありがとー。」
ありがとう、とか大好きだよ、とか可愛いねって言うと、信女ちゃんは少しだけ、本当に少しだけ笑う。
笑った顔が可愛くて、本当にもうかわいくて
私は自分の妹のように可愛がっている。
もうだって可愛いんだもの。
「玲は、お酒何が好きなの」
「私はねー、ウイスキーが好きかな。あとカクテルも。甘いお酒も嫌いじゃないから」
「分かった」
信女ちゃんは、私によく質問をする。
私に興味を持ってくれてるみたいで嬉しいし、質問に答えるのも楽しい。
「映画は、好き?」
「うん。一緒に見に行ってくれる人がいないからいっつも一人なんだけどね」
今一瞬信女ちゃんの目が獲物を狙う鷹みたいになったような…
「玲、異三郎も映画好き」
「そうなの?」
「映画、何を見たいの」
「恋愛もの。両想いの彼がいるんだけど、自分には許婚がいて…」
その映画について語っていると、不意に携帯が鳴った。
見てみるとそれは佐々木さんで、信女ちゃんに断りを入れてメールを見る
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from さぶちゃん
sub 週末ですが
玲たん映画好き?
映画のチケットが手に入ったお(^○^)
一人で行くの寂しいから一緒に来てくれると嬉しいお☆
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…なんてタイミングのいい。
「もしかして、信女ちゃん…」
「玲、ポンテリングまだある」
…佐々木さんの目的が、もっとよく分からなくなってきました。
きみ攻略マニュアル
(玲、温泉好きだって)
(流石に旅行に誘うのはハードルが高いですね。頃合いを見ます)