同級生苗字名前は忍たま六年生で、成績優秀、そりゃあ運動神経も良いし学園長に気に入られていてしょっちゅうおつかいに行かされている。
人望だってあるし、見た目も良い。ぶっちゃけ完璧。天は四物くらい奴に与えなさった。



「留三郎!用具委員会の三年生以下を全員寄越せ!!」


名前は突然やってきて、どどーんという効果音を引っ提げてそんなとんでもないことを言い出した。その両手には保健委員会の川西と鶴町が抱えられている。その背後には猪名寺と三反田が諦めたようについてきている。

「何言ってやがる!んなことしたらうちの委員会が成り立たねえ!」
「用具委員会なんて知らない。良いから寄越しなさい。おいで、しんべヱ」
「はーいっ!」
「ああっ、しんべヱ!!」

じょろじょろと喜三太に平太までついて行ってしまった。名前は嬉しそうに笑い、次は作兵衛を見た。作兵衛を取られてしまったら本当に委員会が成り立たない!…それは保健委員会も同じか。しかも取られてるし。

「富松くん、おいで」
「…いやです。委員会ありますし」
「富松くん」
「あんたが何したいか意味わかんないし」
「作兵衛」
「ッ!!」

あ、駄目だ。これは作兵衛連れていかれる。作兵衛は頬を赤くして名前から目を逸らそうと頑張っている。落ち着いてよく見ろ、奴は下級生を抱えている一見保父さんだぞ。下級生を集めているよくわからん奴だぞ。

「おいで?」
「……っ、すぐ帰りますから!」

わははは!と非常にむかつく笑い声と共に奴は去っていった。下級生じょろじょろ引き連れて。きっと全員集めるのだろう、奴はやるなら徹底的にやる奴だから。
伊作のところへ行こう、きっと下級生を取られて落ち込んでいる。





「最後の一人ほかくーっ!!」

左門を抱えた名前先輩が走ってくる。確かに左門で最後の一人である、何の最後って三年生以下…下級生のである。ここはグラウンドなのだが、名前先輩の手によって下級生は全て集められた。委員会中だったのにも関わらず全員拉致されたのだ。

「なになに、何事ですか名前先輩!」

「これでハーレムが完成したのだよ!」

ハーレム?と全員が首を傾げた。それを見て名前先輩は先輩でまた不思議な動きをする。
カッコイイんだけど、時折変なことするよな、この人は。


「で、何が目的ですか」

「サッカーしよう!」


思ったよりも健全だった、安心。
一年生は喜んでるし名前先輩はご満悦みたいだし、サッカーくらいやっても構わないだろう。

「孫兵、口角上がってる」
「え、うそ」
「本当」

どうやら僕も少しばかり嬉しいらしい。




「うらやましい」
「だね」

名前に下級生を取られて委員会が成り立たなくなった俺と伊作は名前を監視することにした。変なことをする可能性も無くは無いからだ。むしろその可能性のほうがでかいのでは。

「健全にサッカーをしたあと、下級生に囲まれて昼寝だと…!羨ましいにもほどがある!」
「同感です食満先輩!」
「うわ、鉢屋いつの間に」

「名前先輩ー!私とも寝てくださいー!」




あと三つ若返ったら考えてやる、と返事が返ってきた。あいつ、完璧だけど阿呆だ。


2010.05.06
下級生ハーレム!と、思ったけど撃沈。今度リベンジする。
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