浦風には少し悪いことをしたかな。
本当に俺、何かしたんだろうかと首を傾げながら歩いていたら何かにぶつかった。
廊下の真ん中にこんなでっかい物が置いてあるわけが無い。これは人だ。


「す、すみません!」
「んー?名前じゃないか」
「竹谷先輩!」


ぶつかったのは竹谷先輩だった。
ちなみに俺は生物委員なので、竹谷先輩は本当に尊敬している先輩である。

竹谷先輩がいるということは、ここは5年長屋のようだ。いつの間に…。
俺も、次屋や神崎みたいに方向音痴なのかな。


「で、どうした?」
「へ?…あ、ああ。竹谷先輩、今暇ですか?」
「まあな」
「じゃあ竹谷先輩は、大きいのと小さいのどっちが好きですか?」
「じゃあって前の文章と繋がってないぞ。何の大きさだ?」
「おっぱいです」
「「でかいのだな」」



おっと?竹谷先輩の声が2つ聞こえたぞ。
これは竹谷先輩が影分身したわけじゃないぞ。こんなことをするのはあの人しかいない。



「鉢屋先輩」
「大きい方が揉みがいがあるじゃないか。なあハチ?」
「お、おう」


後ろからいきなり現れた鉢屋先輩に、竹谷先輩は驚いたらしい。
心臓あたりを掴んでいる。
鉢屋先輩っていたずらとか好きだよなあ。


「こら三郎。ハチ驚かせちゃ駄目じゃないか」
「不破先輩。それに久々知先輩も」
「やあ、苗字」
「よう」

気づいたらいつものメンバー揃ってるじゃないか。
あ、でも5年生って仲良いから別に不思議じゃないか。いつも一緒にいる気がする。


「雷蔵と兵助はどうなんだ?」
「何が?」
「おっぱいの大きさ」
「昼間から何の話してんの」
「俺は普通で良い」
「兵助もサラッと答えないの」



お、おお…。俺が何もしなくても話が進んでいく。
なら無理に話に入る必要は無いかなと傍観することにした。
不破先輩まさか純情くんじゃないだろうな。14にもなって。


「ほら、雷蔵はどうなんだよ」
「え、ぼ、僕は…大きい方が好きだけど」
「へー、そうなんスか!」
「苗字どういう意味?」
「え、特にこれと言った意味は」
「……そっか。なら良いんだ」



っ怖ぇ!不破先輩怖ぇ!
笑顔で睨まれたよ。あれ?笑顔なの?睨んでんの?
まあつまり、怖かったんだ。



「成る程。参考になりました」
「何の参考?」
「女装です」




用事はこれだけだと告げると、くだらないことで時間使ってんなあと言われた。
俺はくだらない時間というのが好きだから問題無し!


「6年生にも聞くのかい?」
「はい。そのつもりです」
「医務室に伊作先輩がいたよ」
「ホントですか?ありがとうございます。行ってみます!」



よっしゃ、捜す手間が省けた。
じゃあ行ってきますと、5年長屋を離れた。
善法寺先輩に会えれば、きっと他の先輩も見付かるだろう。





皆、でかい方が好きなんだな…。

2009.10.05
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