名前先輩はとっても嬉しそうに酒瓶を抱えていた。先日のことで全て呑み干してしまったから、どこか寂しかったようだ。
俺の中で先輩は酒を呑む印象は無かったから驚いた部分であった。


「さ、次はどうしようか」
「…腹減りました」

時間はもう昼で、午前は先輩の酒を選ぶのに殆どの時間を使ってしまった。先輩ほっといたら有り金全部はたいて買ってしまいそうだったから必死で止めた。

名前先輩は「俺も腹減った」と言って何か無いかとあたりを見回した。何か腹にたまるもの…。


「あ、先輩!うどんあります!」
「お、あれ確かしんべエが美味いって言ってたとこじゃなかったか」
「本当ですか!じゃあ、あそこ行きませんか?」
「そうだな」



よし、俺よく見つけた!
上気分になった俺は先輩より数歩前に出て、うどん屋へ向かう。



「作兵衛、こけるぞ」
「こけないです!」



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