「せんぱぁーいっ!」



「ぐえ」





な、なんだなんだ?
良い感じに昼寝してたら奇襲を受けたぞ。
まだまだ開ける気は無かった目を開けると、そこには鼻水垂らしたしんべエの姿が。
もっかい目を頑張って開けると、喜三太と平太もいた。
なんで?


「おはようございますー」
「お、はよう。どうしたんだおまえら」
「滝夜叉丸に起こしてこいって言われたんです!」
「たきやしゃまる?」


聞いたことあるような気がする…。駄目だね、最近年とっちゃって。
ちょっと待ってね、今思い出すから。
たきやしゃまる滝夜叉丸…。


「ああ、平か」
「そうだっけ?」
「そうだよ」
「あー、でも顔思い出せない…」


多分、昨日訪問してくれたあの4年生なんだろうけど…。
綺麗な顔だったってのは覚えてるんだけど、あー、どんな顔だったかなあ。



「苗字先輩」
「ん?」
「そんなこと滝夜叉丸に言ったら怒っちゃいますよ」



怒っちゃう?
そんなことってのはどんなことか、ちょっと教えてもらいたい。


「だって滝夜叉丸だもん。忘れられたら怒っちゃいますよ」


理由が平だから、ってのがわからない。
3人に平について聞いてみた。
すると、自信家だとか自分大好きだとか、そんなことが返ってきた。

ええとつまり、平は自尊心が高いんだな。
確かにそんな人間は自分のことを忘れられたら怒る気がする。



「分かった、言わない」
「それが良いと思います」
「あー…腹減った」
「ぼくもー…」
「しんべエはさっき食べたばっかでしょ」
「えへへー…」




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -