作兵衛はぐっすり眠っていた。 仮眠程度だと思っていたから少し切なくなった。そんなに疲れていたのか。 眉間にシワを寄せながら眠る作兵衛の頭を撫でる。 隣では留三郎先輩の膝の上に一人、先輩に寄り掛かりながら二人、作兵衛と同じように眠っていた。違うのは幸せそうな顔をしていることだった。 「そろそろ夕飯だな」 「そうですね」 「作兵衛、どうする?」 1年生はどうせ昼寝程度だし、起こしても大丈夫だろう。だけど作兵衛を起こすのはためらった。 できるなら、このまま疲れがとれるまで寝ていてもらいたい。 「とりあえず部屋に運びます。飯は…どうしようかな」 「起きたらで良いだろう。おばちゃんに頼んでおく」 「あ、俺の分も」 「……分かった」 「ありがとうございます」 流石、留三郎先輩。 それじゃあ、と起こさないように気をつけながら作兵衛を抱えて立ち上がった。 「作兵衛のこと、頼んだぞ」 「もちろんです」 → |