迷子捜索をしてから委員会に行くと、食満先輩と苗字先輩が楽しそうに話しているのが見えた。
2人は仲があまり良くないと思っていたから正直びっくりだ。
1年はー…平太しかいない。きっとは組は補習だろう。

3人は屋根の修理もせず、縁側に平太を真ん中にして仲良く並んでお茶を飲んでいた。


「こ、こんにちは」
「おお、作兵衛」
「作兵衛こっち来いこっち」
「嫌です」


こっちこっち、と自分の膝を叩く苗字先輩には遠慮をしておいて。
いやだって、俺もう3年生だし。それが許されるのって1年までだと思う。

がっくりした苗字先輩にちょっと罪悪感を感じたので、隣に座らせてもらうことにした。
平太は、苗字先輩を慰めようとしたのか分からないけど、苗字先輩の膝の上に座った。


「…へ……平太…っ!」
「僕じゃ…駄目ですか?」
「良いに決まってんだろ!あー可愛いっ!」
「苗字!調子に乗るな!」


…仲良い、な。
あんなに反対してた食満先輩も楽しそうだし。
食満先輩の隣にある急須の横に自分の湯呑みがあるのを見つけて、自分も飲んでいいのだと認識し、急須に手を伸ばした。尤も、手を伸ばしたって届くはずは無いんだけど。
腰を上げて、お茶を煎れようとしたんだ。


「ん?作兵衛も飲むか」
「あ、はい」
「良いよ、煎れてやる」
「え!い、いいですよ!自分で…」

いいからいいから、と食満先輩に笑顔で言われてしまった。
じゃあ、お願いします…と俺は頼んで、また腰を下ろした。
何故か苗字先輩も笑顔だ。


「饅頭は喜三太としんべエが来てからな」


凄く美味しいのが手に入ったんだ。と得意げに苗字先輩は笑う。
食満先輩にお茶をもらって、一口飲んでホッとする。美味い。




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