「あ、おい次屋!」 そこを歩いているのは無自覚迷子の次屋ではありませんか(名前忘れた) そのまま進むと学園の外に出ちゃうよ、また作兵衛が苦労する。 止めておかないと(作兵衛が)絶対面倒なことになると思って声をかけた。 「あ、苗字先輩」 「どこ行くんだ?」 「厠っス」 「俺もなんだ、一緒に行こう」 「そっスか」 ホントは平のところに行くために校庭を目指してたんだけどね。ちょっと待っててもらおう。 さっさと厠に行って、次屋に次の目的地を聞くと校庭と答えた。 じゃあ送るの楽だ、一緒に行こう。 「先輩は校庭に何の用なんスか?」 「平と組み手をするんだ」 「滝夜叉丸と?」 「うん。平、知ってる?」 「知ってるも何も、委員会一緒です」 「あ、そうなんだ」 「それに」 気付いたら校庭に着いていた。なんだから人だかりができている。 次屋は人だかりの方をみて、言葉を続けた。 「あの、滝夜叉丸ですから」 やっぱりよくわからない。 平滝夜叉丸はそこまでに有名なのだろうか。 「てか苗字先輩、滝夜叉丸のこと知らないんスか?」 「まあ」 「そりゃあ珍しい」 珍しい? やがて人だかりにぶつかった。 中心にいるのは紫の装束を着た綺麗な人間だった。恐らく平滝夜叉丸だ。 「やあ、平」 → |