「……はい?」



眠そうな目を瞬き3回。
そして、かわいらしく首を傾げた。
まさかとは思ったけど、本当だったとは…。


「水谷……くん?」


「うん」



「……ごめんなさい。覚えてないです」



そう言った彼女に丁寧に謝られた。謝らないで、そっちの方が悲しくなるから。

ちょうど1ヶ月前、俺は彼女に告白した。
精一杯の告白だった。
彼女は少し考えさせてほしいと答えた。だから俺はずっと待っていた。

でも流石に時間が経ちすぎてると感じた俺は、今日やっと彼女に聞いたのだ。
そしたら彼女は告白どころか俺すら覚えてないと言う……すっごい勇気が必要だったのに!!


「あー…どうしよう……これじゃみず…やまくん?に失礼だよね」


「俺水谷」


さっき言えてたじゃん!
流石に本人に突っ込みはしないけど…。


「水谷くん。私と付き合う?」



瞬き3回。
今度は俺が。

彼女は至って平然としていた。
さっきの、俺に失礼、から考えると、恐らく俺への罪滅ぼしのつもりなのだろう。
だったら、答えはこれしかない。


「俺は、君が好きです」



「……?」


いきなり何を言い出すんだ、と彼女は目で訴える。


「ちゃんと、俺と付き合っていいか考えてほしいな。今度は忘れないで」











(じゃあ、一日一回言ってくれると忘れないかも)
(それはちょっと……)




2008.10.19
title by 確かに恋だった




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