「は、榛名元希ぃ!!」 あ、やっぱり叫ぶのやめればよかった。物凄く恥ずかしい。 しかも呼ばれた本人は振り向いてくれないしね。隣にいる秋丸くんは気付いてくれたというのに。 「榛名、苗字さんだよ」 「ああ?あー……」 「何その微妙な反応」 「いや、面倒くせえなって」 「あんたには負けるよ」 ちなみに今は帰り道。 もうテスト前で部活は無かった。だから榛名元希を捕まえられたんだけどね。 ていうか帰りも一緒とか、どんだけ仲良いのさあんたら。 「で、何の用だよ」 「これ」 「あ?」 今日ずっと鞄の中に潜ませていたモノを榛名元希に投げ付けた。 割れ物じゃないから大丈夫だとは思う。 受け取った榛名元希はハテナマークを浮かべながらソレを見ていた。 「何だよコレ」 「あんた誕生日じゃなかったっけ」 「あー……?」 「昨日たくさんプレゼントもらっただろ。女の子に」 「そーいやもらったな。食い物ばっかりで助かったけど」 「……へ?」 ちょっと待って? いや、たくさんもらうってのは予想していたから別に良いの。別にそんなんでショック受けるほど可愛い女の子じゃないから、私。 秋丸くん、昨日って言ったよね? 「榛名元希、あんた誕生日昨日…?」 「あ?そうだけど」 「え、苗字さんもしかして……」 うわー! 私サイテー!誕生日間違えた! 秋丸くんは、あーあって顔してるけど肝心の榛名元希はよく分からないような顔をしている。 お願い、そのまま気付かないで! 記憶に手違いが生じました (……あ、てめえっ!) (ぎゃー気付いた!) 2009.05.25 title by にやり |