どう?





そう言ったコイツは、俺の席の前で仁王立ちをしている。
眠たい目をこすって見てみると、見慣れないものを纏っている彼女がいた。


「セーラー服よ!」

いったいどこにそこまで自信満々に言う要素があっただろう。
確かに俺はセーラー服に触れる機会は無かった(中学セーラーじゃなかったからな

ニコニコとしているコイツは、くるっと回ってみせた。



「可愛いでしょ?」
「別に」
「即答しなくてもいいでしょ!」

バン、と俺の机を叩いてキンキンした声でそう言う。
あーあー、どうすればコイツ席に着いてくれんだろう。
エラソーに立っているコイツの全身を改めて見てみた。

顔は……ま、普通。
肌白いな。
胸は、もうちょっとあるといいな。
つーかコイツ痩せすぎなんだよ、ちゃんと食べてんのか?



「ちょっと、エロい目で見ないでよ」
「なっ……!」
「むっつり」


ちげぇ!と言い返すと、
それを素直に認める人はいないんですー、と言って流した。
そしてにっこり笑ってまた、可愛いでしょーなんて言う。





「……可愛いよ」

半ば投げやりに、そう言ってやった。
すると少し頬を赤くして、嬉しそうに笑った。







そんな無邪気に触れないで

(どきん)
(どきん…?)






2009.04.20
title by 確かに恋だった






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