毎日毎日、少し落ち着いてくれよと思う。 男女関係無く友達がたくさんいるコイツは俺のことが好きらしい。 「泉、お、おおおはよう!」 「……はよ」 好きらしい、っていうのは、コイツはとても分かりやすく明らかに俺にだけ態度が違うということから。 実際に告白されたとかではないのだ。 自惚れのようだけど、田島にも浜田にも言われたからそんなに間違ってないんじゃないだろうか。 「い、泉!」 今日もまた何も無く学校が終わるのかと思っていた。 コイツが今日、ついに動きを見せた。 教室のはじの方で女子のグループがひそひそしながらこっちを見ている。 男子も同じだ。こっちを見ている。 「どうした?」 俺は何も知らないように普通を装って返事をする。 顔がまた少し赤くなった。 今にも裏返ってしまうんではないだろうかという声で、えーと、と言ってから2枚の紙を俺には見せた。 何これ。 紙、です。 そんな阿呆らしい会話のあと、説明が続けられた。 どうやらこの紙にはそれぞれ、あたりとはずれが書いてあるらしい。 「当たりを引いたら、私と付き合ってください!」 顔の赤さが最高レベルまで達したようだ。 コイツにこんなことを言う勇気があったなんて。 こういう方法を取ったということは、俺がまんざらでもないことを知ってるということか。 シャッフルされた2枚の紙をじーっと見る。 よく見ると透けてどちらが当たりか分かってしまった。 ニヤリと笑って俺は手を組んで熱心に祈っているコイツに言ってやった。 都合により神様は死にました (え、あ、はずれ……) (ま、でも付き合ってやるよ) (……え?) 2009.04.17 title by にやり |