「榛名、ねえ榛名元希さん」 「……何スか、苗字名前さん」 こんな口調だけど、私たちは同い年。 それでもって同じクラス。 ……あ、訂正。同じクラスだった。 今日で1年生が終わっちゃったんですよ。 「榛名は文系?理系?」 「んだよ、いきなり」 「いいから答えてよ」 同じクラスになって、最初の印象は怖いだったけど 時が経つにつれて何かあったのだろうか、笑顔が増えてきた榛名。 いつしか私は榛名に興味を持っていた。 それが、好き、という感情だということに気付いたのは、最後の進路調査をした時だった。 そこでようやく気付いたんだ、クラスが分かれるってことに。 「お前は?」 「私?私は……」 そして私が答えると、ふーんと榛名は言う。 話をはぐらかされたような感じがする。 何となく分かってくれないかな……同じクラスになりたいってこと。 榛名がいないと、何か寂しいんだよ。 「安心しろよ。同じだから」 それを聞いてびっくりした。 え、もしかして分かったの……? ちょっと期待してたら、 お前がいないと面白くねえもんな、と続けられた。 「それ、どういう意味…?」 「あ?」 愛を知らないお馬鹿さんへ (私はあんたのこと……!) (俺がなんだよ) (………何でもない!!) 2009.03.27 title by にやり |