「泉は、絶対ひっかかる」 カレーパンを頬張ろうとしている俺を見つめて、コイツはそう言った。 目線を逸らそうとはしないから、食いづらい。 なんとか視線に耐え、俺は一口でカレーパンを食った。 「ひっかかるって、何に」 「浜田くんもひっかかるだろーなー…」 「おい。何にだよ」 「頭髪検査」 さっさと答えてほしいものの…コイツはどうでもいいことを挟んでから答えた。 頭髪検査だぁ?そんなもんウチの高校やってねぇじゃねえか。 「あったらの話!」 「俺のどこがひっかかるんだよ」 「ひっかかるに決まってんじゃん!」 後ろ髪は襟にかからないように 耳が出るくらいの長さ 前髪は目にかからない程度 「球児がそんなんでいいの?」 「そこまで長くねえよ」 「長いからこうして言ってんじゃん」 ごもっとも。 中学の時は頭髪検査あったけど、俺坊主にしてたもんな。注意されたの初めてだ。 「え、坊主にしてたの!?」 「おお」 「ヤダ!今のヤツが好き!」 ……今、何て言った? そのまんまが良い 2008.07.26 title by gerbera |