かわいらしい便箋を机に置いて、何やら唸っている彼女。 その便箋の端を掴んでは離し、持ち上げてはまた机に置くを繰り返していた。 「…どうしたの?」 「うわっ!水谷くん!」 「驚かせちゃった?ごめんねー…」 「だ、大丈夫だよ!」 慌てて便箋を裏返しにして、彼女は手を振った。 裏返したってことは手紙に間違いないな。 「ラブレター?」 「へ!?」 「あーそうなんだー」 一生懸命に否定しているけど顔を真っ赤にしてるから説得力無いよ、って笑いながら言うと彼女はもっと顔を赤くした。 そして小さい声で、そうだよって言った。 「で、それをどうしたいの?」 「……折りたいんだけど、折り方分かんないの」 「教えてあげよっか?」 そう言って俺は手頃な紙を一枚、同じ机の上に置いた。 彼女は何で俺が知ってんの?って顔で見てくる。 姉ちゃんに教えてもらったんだーって言ったら納得してもらえたらしい。そんな感じに声をあげた。 「できた!」 「あ、ありがと水谷くん!」 出来上がった手紙を大切そうに眺めている彼女は、まさしく恋する女の子。 この手紙をもらえるヤツは幸せだなぁ。 誰にあげるか、聞いてもいいかな? 「あのさ…「はい」」 「ラブレター、です」 恋文じゃなくお前をくれ 2009.01.26 title by 夜空にまたがるニルバーナ |