中学のときから好きだった。
想いを伝えることは無かったけど、確かに好きだった。





卒業から、半年が経った。





今もまだ好きでいる自分か、憎たらしかった。

いつまで想っているつもりなの。

高校は別だから、会うことなんて殆ど無い。
たまにすれ違い様に手を振ってくれる栄口がまた憎たらしい。
そんなことされたら、諦めたくても諦めきれないのに…。




毎週この曜日は早く帰ってくる日。
部活に入ってない私はこの曜日、バイトに向かうときに栄口にすれ違っていた。

すれ違う度に、顔に熱が集中するのを感じていた。
もう、望みは無いんだって分かってるのに。
諦めて新しい恋を待った方が良いって分かってるのに……。



今日もまた、栄口とすれ違えないかと期待しながらバイト先へ向かう。
向こうから、2人組が歩いてくる。ああ、あれは違うな。
平然とした表情ですれ違おうとした私は、見えてしまった。


あれは、女の子と栄口だ。



そっか、彼女出来たんだ。
たまたまあった曲がり角を曲がって少し歩き、私はしゃがみ込んだ。


そして泣き出す。
栄口が過ぎていくのを待っている間。
栄口に未練を持っている間。


楽しそうに女の子と話す栄口の声に、また泣きたくなる。





ごめんなさい、好きです。





小さく呟いた声は栄口には届かない。私はただ、ただ泣くだけ。いつか、幸せがやってきますか?私にも幸せは。ねぇ神様。どうして私はこんなに泣いているの?




2008.11.13





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