……落ち着かない。 今現在、尚治の家で映画鑑賞の真っ最中です。 ちなみに映画はテキトーにレンタルショップで借りてきたヤツなので面白いかは、微妙。 私がお煎餅の袋を持っていて、時々尚治が何も言わずに袋に手を入れてお煎餅を持っていく。 ジュースは、床に置いてある。 右隣に尚治。 おやつとしてのお煎餅。ジュースもある。 何で落ち着かないんだろう。 いったい何が……。 「あ」 「どうした?」 突然に私は声を漏らす。 集中して映画を見てた尚治も、驚いたのかこっちを見た。 「分かった」 床に置いてあった自分のジュースを持って、尚治の右隣へと移動した。 これで、尚治は私の左隣にいることになる。 「いつもと、位置が逆なんだ」 尚治が、左にいないと落ち着かないんだ。右じゃ、駄目みたい。 何事も無かったかのように私たちはまた映画に集中し始める。 「……あ、なるほど」 ふと、声を漏らしたのは尚治だった。 「確かに、こっちのが落ち着く」 尚治も、同じことを感じてたらしい。 うん。ここが1番落ち着く。 2008.11.04 |