英語は、眠かった。




あの先生の声は絶対睡眠ボイスだよ!

そう思いながら英語の教科書を片付け、次の数学を出す。この組み合わせはサイアク。
あれ?しかも俺今日当たるんじゃない?もしかして。

……ま、何とかなるでしょ。



あー、売店行きたいなぁ。
花井とか行かないかな…あとで誘ってみよ。

授業で使わなかった英和辞書をロッカーに戻そうと立ち上がる。
篠岡みたいに電子辞書買おうかな。そうすればこうしていちいちめんどい思いしなくてすむし、何より家に持ち帰りやすい。
…勉強しないけど。ほら、試験勉強のときとか、ね?


何が言いたいかって、辞書が重いってこと!



「あ、水谷ぃー」


右斜め前に座っていた苗字が俺を呼ぶ。
何ー?と返せば、私の辞書も持っていってだって。
まぁ、別にそれくらいなら良いかな。




「じゃ、いくよー」



「……え?」



せーの、とか言ってる苗字。
いやいやちょっと待って君はいったい何を投げようとしているのかな?俺の考えが正しければ辞書だよね?ていうか辞書しかないよね?だって辞書しか持ってないもんね?



「…っ……」



「野球部、ちゃんと捕ろうよ」

「辞書投げる方が間違ってるからね!」



辞書は綺麗に俺の頭にクリーンヒット。
俺は悪くない俺は悪くない……。



「それもまた愛だよ。有り難く受け取ろうか」

「苗字の愛はこんなに痛いものですか!?」




受け取りたいのは、やまやまですけどね……。


2008.10.31





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -