「……俺は、平和に過ごしたいんです」 兄貴や榛名さんが俺様な件について、秋丸さんに相談することにした。 だいたい、何で俺だけがこんな目に合わなきゃならないんだろう。 「んと…いったい何が平和を阻んでるのかな?」 秋丸さんは苦笑しながら相談を受けてくれた。阻むって言い方もどうかと思うけど。 「俺様にリズムを狂わされます」 「……榛名か…」 大きく秋丸さんはため息をついた。 ああ、秋丸さんも苦労してるのかなあの人には。 「どうすればいいでしょうか」 「どうすればって……榛名だしなぁ…」 腕組みして、真剣に考えてくれる秋丸さん。俺の想像する先輩っていうのはこういう人だよ。 榛名さんなんて何でか分かんないけど迫ってくるし、コンビニで遭遇したら青春っぽいって理由だけで俺の手を引いて走り出すし、無理矢理家に連れてかれるし……。 「え……」 「え、って…秋丸さん……?」 よく分からない声を漏らした秋丸さんを見ると、青ざめた顔をしていた。 俺、何かしましたか? 「わ、悪いけど…俺、そういうの分かんないから……」 「そういうの、って…?」 青ざめた顔のまま、秋丸さんは俺に小さな声で教えてくれた。 何かの間違いであってくれ! (そんな可能性は考えたくないです!) (俺だって考えたくないよ…) 2008.12.15 title by にやり |