Q.俺、何でここにいるの?



A.俺が呼んだから。





まったく、意味が分からない。
兄貴が研修だかで1週間くらいいなくて久しぶりに平和を手に入れた俺。
(パシリではなくて)コンビニへ行こうとすると、また榛名さんと遭遇してしまった。そしてまた引きずられ、何故か榛名さんの家にいる。いや、何で?


「アクエリとポカリどっちがいい?」
「いや、どっちもスポドリじゃないスか。他に無いんスか」
「何、駄目?」

ここまで来てスポドリって……。
部活でイヤと言うほど飲んでんのに。

「あとは、牛乳」
「水ください」

あ、しまった。
もらわなきゃさっさと帰れたのに。俺もまだまだだな……。
思ったよりも丁寧に出してくれた水を一口飲んで、一息つく。喉が渇いていたのもまた事実。


「んで、何で連れてきたんですか?」
「ん?あ、ああ……」

そう言って俺から目を逸らす。いや、ちょっと待ってくださいよ。俺はあんたの気まぐれに振り回されたってことですか?

「お前で遊ぼうかと」
「俺はおもちゃじゃないです」

今の心境、ふざけんな。
やべ、ソッコー帰りたい。
水を飲みほそうとしてコップに手を伸ばした。



ガタン



「あ……」

うまくコップを掴めなくて、コップを倒してしまった。水こぼしちゃった…。布巾借りなきゃ。



バリン



「え」

倒れたコップを起こすのを忘れてたからか、転がってテーブルから落ち、割れてしまった。

「す、すんません!」
「ああいいよ掃除機持ってくるし」
「っつ……」

慌ててガラスを拾おうとして、案の定指を切った。
どくどくと血が出てくる。

「ほら、見せてみ」

俺を見てため息もつかず、榛名さんはそう言って俺の右手を掴む。
深くいったなー…とか言ってる。あの、近い、です。

「ん?顔赤ェぞ?」
「な、何でもないです!帰ります!」






ちょっと待て俺。なんでこんなドキドキしてんだ。



2008.11.17
title by 夜空にまたがるニルバーナ


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