死ぬか否か。



できることなら、死を選びたい。でもこれくらいのことで人生終えたくない。
だから考える。どうすれば俺は平和にパシられずにすむのか。



現在位置、コンビニ。

理由、兄貴のパシリ。

目の前にいる人、榛名さん。

理由、ばったり。



「よお」

「……ちす」



出来れば無視したかったのに、この人はがっしりと俺の腕を掴んだんだ。あんた握力強いんだから勘弁してください。


「なんで榛名さんがいるんスか……?」


「俺ンちここの近くだし。ロードワークついでに寄っただけ」

よく見れば榛名さんはウィンドブレーカーを着ていて、ほんのり頬が赤くなっている。
この人は才能もあるけど、ちゃんと努力してる。尊敬するべき……何だろうけど。


「お前も走るか」

「遠慮します」

「そう言うなって。お前ンちまでだからよ」

会計を済ませていた俺の腕を(再び)掴んでコンビニを出る。


「どっち?」

「あっち……あ」


咄嗟に答えてしまったことを後悔した。
じゃ、行くぞ!と俺の手をがっしりと掴んで走り出した。


ちょ、ちょっと待って!
買ったのスナック菓子だから!
しかも薄いジャガ芋のアレだから!粉砕しちゃうから!
粉砕したら怒られんの俺なんだからな!!


「何か走ってると青春って感じすんだろ!」



「んなもん部活だけで十分スよ!」





青春クロッカス



しかも家知られちまったし…。
兄貴にはほっぺ引っ張られるし、もう最悪だ!!



2008.11.07


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