俺の視界には、塔のように立っているお菓子が2つ…と、頭。

頭の正体は、名前。
机に伏せている俺からは見えないと思っているのだろうか。
お菓子を折らないように、名前の頭を叩いた。


「いってぇっ!」



お菓子が引っ込んで名前が顔を出した。その顔は笑顔だった。


「なんで分かった?」

「見えてんだよ、ばーか」



え、マジで?とか言って頭をさすっていた。
それより、お前が持っているお菓子が気になるんだけど。


「何それ」

「ポッキーとプリッツ」

「それは見て分かる。何で持ってんの」


それも1本ずつ。
日頃女子からお菓子をもらっている名前だけど、いつもはもっともらっている。だから、珍しい。ていうか、まだ1時間目終わったばかりなんですけど。



「ああ、ほら今日ポッキーとプリッツの日だろ?」



そう言われて黒板に書かれている日付を見る。
11月11日。言われれば。
あれ?ポッキーの日じゃなかったっけ。プリッツもだっけ。……ま、いいか。



「これ、孝介とはんぶんこしようかと思って」



「2本ずつもらってこいよ」

「はんぶんこしたかったの」


わざとらしく幼く言って、名前は俺の口にポッキーを入れた。
そして顔を近づけてくる。ちょ、ちょい待った!!

一生懸命と言っていいくらいに俺は名前の頭を掴んで離す。
男同士でポッキーゲームなんかしてたまるか!!



「ちぇっ…」
「普通にはんぶんこしやがれ!!」



君と僕で、はんぶんこ




(孝介顔真っ赤)
(るせぇ)



2008.11.11
title by ひよこ屋



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