何度試しただろうか。
その数は数えきれないほどなのに、成功したことは一度もない。
そして今日もお菓子を手に持って挑戦するのである。



「あ、阿部!」
「……またお前か」

今日のお菓子はサクサクパンダ(これ好きなんだ!)
サクサクパンダを手に持って現れた俺を見て、阿部はため息をついた。

「今日はサクサクパンダなんだ!可愛いだろ?」
「可愛いだろ、って……」





机の上にサクサクパンダの箱を置いて、俺は阿部を見る。
阿部はいかにも迷惑そうな顔をして、サクサクパンダを見た。


「毎日毎日、俺に菓子食わせようとして何たくらんでるんだ?」
「た、くらんでるなんて人聞きが悪いな」
「それ以外言いようがないだろ。で、何でなんだ?」



う……、と思わず口ごもる。
いざ本人を目の前にして言えるかといわれると、言えない。
物凄く恥ずかしいんだ。
せっかくのチャンスなのに!!

「何なんだよ」
「………っ、」



思い切って俺は言った。
当たって砕けろだ!
それを聞いた阿部は、餌付けかよ、て笑って(は、初めて見た。笑ったとこ)
サクサクパンダをひとつ取って、口に運んだ。



「こんなことする必要ねえよ」
「……え」
「うめえな」



結局は君に勝てないという話


(仲良くなりたかっただけだよ!)



2009.04.15
title by にやり


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -