朝、突然携帯が震えた。 ちなみに現在5時半…ちょい過ぎ。 いつも7時に起きる俺にはちょっとキツイ。 何だ何だと携帯を開くと、受信メール1件。 差出人は…泉? "朝練無かった。暇だから学校来い" たった一行。 眠い目を擦りながら、その意味を考えるため頭を動かした。 ……って、考える必要無いだろ。 「…眠い」 とだけ返信。 そんなこと言いながらも体は布団から出ている俺は泉に甘いんだろう。 今日は体育があったな…あ、化学の宿題やってねぇや。向こう行ってからやればいいか。 顔洗って部屋に戻ってくると携帯が光っていた。 "来い" 「…分かりました。女王様」 寂しいんだな、と思うと泉が可愛く思える。 自分しかいない部屋で冗談っぽく言った俺は周りから見たら変な人なんだろう。 朝飯と昼飯買って行くか! 「……寝てんじゃん」 誰もいない教室。 ぽつんとだけ、人が伏せていた。 時刻は6時過ぎ。毎日早く起きて頑張ってるヤツを起こすまでもないと思い、俺は泉が寝ている机の前の席に座り買ってきた朝飯を食うことにした。 「ん……」 目を覚ますと、前にアイツがいた。そういえば呼んだんだっけ。 てっきり無視するのかと思っていたのに……来てくれたことが嬉しい自分がいた。 「おはよ、泉」 「……はよ」 暇そうに携帯を弄ってたアイツは、まだ少し眠そうな目で俺に挨拶をした。 今、7時。 「あー…眠ィ」 「……だったら寝てればよかったじゃん」 「泉が呼んだんでしょー」 今から寝てSHRまでに起きれる自信ねぇし起きてるよ。 「……俺に関係ねぇけど」 「お前なぁ……」 腹減った。 どうせまだ時間あるし、パンでも食うか。 そう思って鞄からパンをひとつ出すと、あ、とアイツが声を漏らした。 「それ、俺も買った」 「へぇ」 だから何だ。と言えば偶然だな!と返ってきた。 偶然ねぇ……俺はお前がいつもこれ喰ってるから買ったの、知らないだろ。 「……なぁ、何で俺呼んだん?」 これ以上どんな偶然を期待してた? 俺は偶然。と言い捨てる。 でも本当はお前に会いたかったからだから偶然なんかじゃない。 お前は偶然と言われたそれを苦笑混じりに喜ぶんだ。 2008.10.17 title by 確かに恋だった |