携帯が鳴ってる。
バイブ、うっせぇ。
電子音、頭に響く。

ったく安眠妨害だ。携帯を手に取ると着信。相手は……苗字。
何でコイツは朝っぱらから俺に電話かけてんだ?



「…んだよ、暇人」
『あ、やっと出た!』


相変わらずの元気な声。電話を通してるからか、余計に耳に痛い。
おはよう、なんて挨拶を始めたアイツに適当に返事しながら俺は時計に目を向けた。……7時。




「……おい」
『ん、何?』
「俺はあと2時間は寝る予定だったんだが」
『え、あっと、俺もそのつもりだったよ…うん』

でも、と言ってからごもごもし始めた。なんだよ、はっきり言えって。
ああもう、眠気完璧に覚めちまったよ。二度寝もできねぇな。


コイツはまだごもごも言ってる。
だから、何だよ!


『……笑うから、言わねぇ』
「はぁ?」
『泉、絶対笑うから』
「笑わねぇから、言えよ」
『……笑ったら泉からチューしろよ?』

「は?」『猫に追っかけられる夢見たんだよ!』




『何匹いたか数えらんないくらいの猫にさ、どどーって追っかけられたんだ!耳からにゃーにゃー鳴き声が離れねぇし、爪はもちろんあの肉球すら恐ろしく思えたんだよ!』





猫に追っかけられる夢を見た?





『んで目覚めて、めっちゃ怖かったから電話したの。泉の声聞けば落ち着くかなって思って……』





怖い夢を見たから電話したってことだけでも可愛いのに、その夢が猫に追っかけられる夢なんて……!



『あ!泉今笑ってる!声殺して笑ってる!』
「わ、らってねぇよ…っ……」
『声震えてる!明日チューだかんな!ベロチュー!』
「んでだよ!」
『泉からだかんな!』





モーニングコール
(子供らしく愛しい君からの)



2009.01.09



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