クリスマスプレゼントは、よく分かんない店で買った銀細工の綺麗なストラップ。
デザインが凄くアイツ好みだったから思わず買ってしまった。これをプレゼントしたら喜ぶかな、使ってくれれば良いな、なんて考えながら道を歩く。
綺麗にラッピングしてもらったストラップがポケットの中で俺の指に遊ばれてる。

一応クリスマスプレゼントだから、今日のうちに渡したいな。
行き先をアイツの家へ決めて、俺は白い息を長く吐いた。



「泉?」




後ろで聞き慣れた声が俺を呼んだ。
慌てて振り向くと、アイツがキョトンとした顔で俺を見ていた。

「え、何でここにいるの?」
「別にいいだろ」
「だって泉の家逆方向じゃん」

俺がここにいるのは不自然らしい。わざわざ自分のために来てくれたなんて浮かれたこと考えないんだな。

「……クリスマスイヴ、じゃん」
「ん?あ、ああそういやそうだ」

続けて、そういや俺たち付き合ってたなって笑いながらアイツは言った。
ホントなら怒るとこなんだけど、そういう気になれないのはコイツの性格故だろう。


「んで、プレゼント買った…カラ……」
「……マジで?」

ポケットからそれを出して見せると、ぱぁっと嬉しそうな表情を見せた。
俺の想像通り。少し照れてしまった。

「開けて、良い?」
それに俺は頷く。
うわー、泉がくれるなんて思ってなかった、なんて言いながらリボンを解いていく。
俺はどうしていいか分からなくて、手に息を吐きながらその様子を見ていた。ホントに幸せそうな顔してる。

「あ、俺の好みピッタリじゃん」
「…だと思って買った」
「さすが泉」


サンキュー。
その場で携帯を出して、ストラップを付けた。ずっと付けてるからって笑って言う。

「お揃いとかじゃないの?」
「金無かったし」
「どこの店?買いに行こう」
「い、いいって」
「俺から泉へのクリスマスプレゼント!」


俺の手を掴んで、俺が来た方へと引っ張っていく。
手、あったけぇ。







店に行くと、ストラップは残り1つだった。
(よかった、残ってて)
(……俺も付けるから)



2008.12.24
title by 確かに恋だった



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