初めて学校をサボってみた。
少し怠いとか、面倒くさいとかじゃなくて、ただサボってみたかったから。
とりあえず撮り溜めしていたビデオを観て、それから倒せてなかったボスに挑む。
腹が減ってきたから簡単にインスタントラーメンでも作って、次は何をしようか。

ずっと放置していた携帯を見ると、チカチカと光っていた。メールが5件。



>何サボってんだよ



古い順に見ていくと、泉からだった。流石泉、サボったの分かってる。
続けて次のヤツ。浜田からだった。


>え、実は風邪とか!?


泉に返事が無かったからだろうか、心配した文章だった。
風邪なんてひくわけないだろ、ほら何とかは風邪ひかないって言うし(自分がそうだってことくらい自覚してます)
次は…田島だ。


>浜田が俺たちにプリン買ってくれた!


うわ、マジか。
これ絶対わざとだろ、俺がプリン好きだって知ってるからだろ。良いもん、明日浜田に買ってもらう。


>い


……三橋?
い、って何を伝えたかったんだ?
これだけじゃ流石の田島でも翻訳できないんじゃねぇか?
そして最後のメールを開く。

>泉くんがさみしそうだった



ああ、そういうこと。
い、ってのは泉の、い、か。
顔が緩むのがハッキリと分かった。そっか泉、俺がいなくて寂しかったのか。
誰に返事をしようか、全員にする必要は無いだろ。だってこの時間なら全員教室にいるし。


締まらない顔で、ぽちぽちと返事を打つ。件名は、可愛い君へ。





実験結果と考察
結果:泉が可愛い


「お、返事来た?」
「マジで!泉見せて!」
「誰だ、余計なこと送ったの!」
「う、お」



2008.12.12
title by にやり



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