「……ここ…私…」


目が覚めた。何で私寝ていたんだ?
視界に入ったのは何かよく分からないもの。服、のように見えるけど。誰かの腕が背中に回っている。抱きしめられている?
その人物を確認しようとどうにか首を動かした。見覚えがある、この人は

「透さん…?」

え、どうして…。また少し首を動かして辺りを見渡した。学校、だけど赤い空。あ、ここテレビの中だ。
…そうだ、私はあそこでP4主人公と透さんと戦って、私と透さんは落ちたんだ。よく無事だったな、少し打ち付けただけみたいだし。
って、こんな冷静に分析している場合じゃない!

「透さん!」

この様子を見る限り、きっと私を庇ってくれたんだろう。お願い起きて。これ以上のバッドエンドはないじゃない。ねえ。


「……ん…」
「透さん…!」
「名前…ああ、無事だったんだ…すげ……いてて」

良かった!思ったよりも大丈夫そうだ。
体を起こして改めて向かい合う。どうしてそんな優しい顔で私を見られるの?私は透さんをテレビに…。


「名前もさあ、無茶するよね」
「へ?」
「僕が犯人なのが嫌だからって普通、自分が犯人になろうとする?しかもそれ意味無いし」
「う…」
「自分がなるんじゃなくて誰かになすりつけるとか考えられなかったわけ?」
「それ大人としてどうなんですか」

そう言いながらも透さんは優しく私を抱きしめる。
君は悪くないよ、と何度も言って頭を撫でる。
その優しい声に私は泣いてしまった。抱えていたたくさんのものが一気に解消されたようで、馬鹿みたいに泣いた。


「向こうに戻ったら、自首するから」
「……はい」

「どれだけかかるか分からないけど、出てきたら」

「はい」



「結婚しよう」



「もう君は僕のものなんだからね、分かった?」
「……はいっ…!」







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