辿り着いたのは屋上だった。扉は今入ってきた1つしかない。
ああなるほど、気付いた。


「ここが、ゴールなんだ」


ここで私はP4主人公たちと戦うのだ。
空を見上げる。やはり空は赤黒い。
十分ここは広いが、何か心細い。私とP4主人公たちの戦いだけならまだしも、予想ではあるがアメノサギリとの戦いもあるのだ。
アメノサギリの大きさはとてつもない。こんな広さじゃ足りないだろう。
どうすれば良いだろう。
もしかしてアメノサギリは現れないのか。
ふと辺りを見回すと1人の少女が柵の外に立っていた。苗字名前だ。


「何をしているの?」
『貴方が望むものをあげる』
「え…?」

笑った苗字名前は空を見た。そして1歩踏み出す。ああ危ない!落ちてしまう!




「……浮いてる?」
『違うわ。ここには床があるのよ』

苗字名前はもう1歩進んでみせた。確かに落ちない。

『おかしいなぁ…貴方なら見えるはずなんだけど』


空を歩いて苗字名前は戻ってきた。柵を越えてそして私に触れた。
途端、ぐらりと視界が歪んだ。目頭が熱くなる。頭痛が酷くなる、吐き気もしてきた。
気合いで開けた目が捕らえたのは、空にある床だった。
広い。
これなら…――





『どう?これくらいあれば足りるでしょ?』
「……ええ、ありがとう」
『もう少しよ。もう少しなの。頑張ってね、名前』


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