血の水溜まりをバシャバシャと歩く。
私はどこへ向かっているんだろう。わからないけどとりあえず歩いていた。
何となく立ち止まっていてはいけない気がして、あるがままにどこへ続くのかわからない扉を開けていた。




『あらあら、どこへ向かっているの?』



"何か"が話しかけてきた。
声がした方へ振り向くと、そこには"苗字名前"が立っていた。
テレビの中に落とされればこうなることを知っていたので、それほど驚かなかった。
だけど再びテレビに落ちて世界を作った私の前に、"苗字名前"が現れるとは思っていなかった。
だって私にはもうペルソナがあるもの。


『驚いてるのね、少しだけみたいだけど』
「…まあね。どうして"苗字名前"がいるのかなって」
『どうして?』



『アッハッハハハッハハハハ!!』



な、何…?
急に狂ったように笑いだした"苗字名前"に私は一歩下がる。
ザッ、と後ずさりした音がすると"苗字名前"は笑いを止めた。
そして私を見た。

『我は汝、汝は我。私は貴方よ』
「そんなの見れば分かる」
『ねえ名前。貴方には願いがあったでしょ?』

ずいっと顔を近づけて、目を見開いて"苗字名前"はそう言った。
自分の顔をこんなにも近づけられるというのも不愉快だ。
それよりも、私の願い?

『あら、もう忘れちゃったの?貴方は何のためにここに来たのよ』
「……終わりを変えるため、」
『そうよ!』


『あの人が犯人だなんて信じられない!納得がいかない貴方はやり直したのよ。
神様は貴方に少し興味を持ったみたい。チャンスをくれたわ!
神様はいつだって貴方を見ていた。半年は暇だったらしいけどね。
ここ最近はとても楽しかったそうよ!
まさかあの人を落とすなんて思わなかったみたい!
神様は意地悪のつもりでP4主人公と一緒にやり直させたけど貴方には関係なかったみたい。だって貴方はP4主人公を騙し通せたものね。
とても楽しかった!あと少しよ、頑張って!』




「……あんた、誰?」
『だから言ってるじゃない。私は"苗字名前"よ』


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