そっからは何も変わらなかった。 中は禍津稲羽市だったし、ある程度進むと先に進めなくなって、大きい穴からマガツマンダラへと向かった。 そこにいる中ボスを倒して、再び禍津稲羽市へ。 「あ、本当に来たんだ。予想以上に早かったね」 「本当あんたはムカつくこと言いますね」 「苗字先輩、落ち着いてください」 足立さんの荒んだ目を見たのは久しぶりだった。 私と一緒にいるときは結構本音を喋ってくれたけど、決して表情には出さなかった。 挑発的なその態度に少し苛々して、殴ってやろうかと思った。 直斗に止められて、冷静になるとそこには足立さんしかいないことに気付いた。 ああ、ということは足立さん自身と戦わなければならないんだろう。 きっとP4主人公が配慮してくれて、私をメンバーには入れないんだろう。 「君たちだってさ、世の中つまんないって思わない? 同じような毎日を繰り返す 思った通りには動いてくれない 飽き飽きしてんだよね」 「っそんなこと無い!」 千枝が精一杯の声で反論する。 足立さんにそれは届かないんだけど。 「それは、最近面白いものを手に入れたからでしょ?それを手に入れる前はどうだった?」 「……っ…」 「今、楽しいでしょ?終わって欲しくないでしょ?」 皆の表情が苦くなっていく。 図星をつかれたのだろう。 その表情を見て、足立さんが笑う。 「僕が憎いだろ?さあ来いよ!僕を倒してみろよ!」 今までに無く狂ったような足立さんを、私は見るしかできなかった。 小さく舌打ちをして、P4主人公は足立さんに向かっていった。 |