静かな家に帰って、電気をつけた。
帰ってきてしまった、と息を吐いてカーテンをしめた。

これからどうなるんだろう。
前にも考えたけど、霧が晴れないという本当の意味でのバッドエンディングになるんだろうか。
私の中で、透さんが犯人になってどこか腑に落ちないのがバッドエンディングだったけど、あれは霧が晴れたから本当はグッドエンディングだ。

、いや待て。
もしかしてまだ終わっていないんじゃないだろうか。
P4主人公はきっと何かを掴んでいるんだ。
そしてそれを伝えるために…




ピンポーン…




嘘でしょう?
まさか本当に来るなんて。
恐る恐るドアを開けると、そこにはP4主人公と花村と直斗くんがいた。


「ど、どうしたの?」
「いや、話し忘れてたことがあって」

入っていいか、と聞かれて私は頷く。
断る理由は無いし、逆に断った方が不自然に思われるかもしれなかったからだ。
それに、いっそのこと何かがあれば良いなんて思ってる。
だって、だって…。

「どうぞ」
「お、お構いなく」
「何言ってんの花村」

3人を家に上げて居間に通した。
客が来たからとお茶を煎れてみた。普段はこんなことしないけどね。
妙に動きが固い花村を見ながら、私も座った。


「飲まないの?」

口をつけない3人にそう聞いて、私は一口飲んだ。
私が飲んだのを見て、3人も湯呑みに手を伸ばした。




「それで、話し忘れてたことって?」


聞くと、花村が首を傾げた。え、花村知らないの。
P4主人公はいったい何を考えてるんだ、と思う。直斗くんも見た感じ、よく分かっていないらしい。本当に何考えてるんだろう。

P4主人公は私は見て、一瞬顔を歪ませた。
そして、口を開いた。






「苗字、だろう」






私の思考は停止。
ここからは生憎、自分が何を言ったかもよく分かりません。
冷静になって、何が起きたのかを知るのはもうしばらくあとになります。





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