「そういえば、足立さん仕事は?」 「え、今更?」 「サボリかなー、と」 「人聞き悪いなー。ちゃんとお休みもらってきました!」 「えらいえらい」 あー、だったらどうしようかな。 多分このあと天城屋旅館に皆でお泊りだけど、ミスコンすっぽかしたから何か言われるだろうなー。 特に大切なイベントってわけじゃなさそうだし、参加しなくても良いかなー…。 「あ、いた!!」 聞き慣れた声が耳に届く。 ああ見つかっちゃったよ、足立さんと一緒だったから目立ったんだよね。それかさっき会った一条か?一条が千枝に言ったのか?くそう一条め!千枝だからあっさり答えちゃったんだろ! 「ミスコン逃げたでしょ!」 「ミスコン?」 「え、あー…えっと……」 「めっちゃ恥ずかしかったんだからね!」 はい、知ってます。だから逃げたんです。 隣で足立さんが、少しだけ納得したような顔をしている。そういえば説明するとか言ってしていなかった。 「まあいいや。これから雪子んち行くんだけど名前も行くでしょ?」 どうしよう、と足立さんを見た。 出来ることなら、という気持ちだがうーん…。 足立さんはきょとんとして私を見る。 ああもしかして悟ってもらえない? 「足立さんとはいつでもいられるでしょ!はい決まりね!」 ぎゃー!強制デスカ。 反射的に足立さんを助けを求めるような目で見てしまった。 嫌というわけじゃないんだけどね。 「せっかく今日イイコトしようとしたのに残念だね」 「そんなつもりだったんですか!」 「いってらっしゃい。気をつけてね」 「………はい」 と、いうことで参加が決定しました。 足立さん、気をつけます。 もし行かないことになってたら、ホントにイイコトしてたのかな…って考えたら駄目だ!うん! |