……眠い。 何で飯食ったら眠くなんだろ。 昔に同じようなことをぼやいたら、双子の妹が眠くなる理由を教えてくれたような気がする。でも思い出せない。 「あくびすんな、うつるだろ」 思わずあくびをすると、花井にそんなことを言われた。 あくびすんなって、不可抗力ってもんを知らないのかよ。 睨んでみるけど、もちろん花井はスルー。眠そうにあくびをしていた。 悔しいので、花井が巻いてたタオルを取ってやった。 「食休み終わりー!見て!これは周辺視野と瞬間視を磨くためのパネルよ!」 パンッと監督は手を叩いて大きな音を出して皆を注目させた。 そのパネルには、1から25までの数字がランダムに並べられてるもので、これを1から順に素早く指していくことで周辺視野、瞬間視が磨かれ、バント処理などに役立つと言うことらしい。 「やってみる人!」 「「はい!!」」 声が誰かとハモった。誰かって、悠一郎しかいないだろうけど。 悠一郎はもう、早くやりたいって感じの表情をしていた。 俺だって負けない!こんな楽しそうなんだから! 「じゃあ、田島くん!」 「うっすー!」 「ええ!?」 「ちゃんと後で皆やるから」 勝ち誇った顔を俺に向けてから悠一郎は監督の前に立つ。 くっそ……。後で悠一郎より速いタイム出してやるからな。 今の悠一郎の顔で火がついたのもあるけど、タイムが良い人から明日の試合の打順選ばせてくれんだってさ! |